最近のゲームって難しいんですよね。特にRPG作品は複雑で、コマンドがたくさんあって覚えることが大変です。そこで今回は、最近のゲームが難しすぎると感じるである理由について、現役のゲーム開発者の私が考えていることを書いていきます。
最近のゲームの操作が難しすぎる件|現役ゲーム開発者が考えていること
- 最近のゲームの操作が難しすぎる件|現役ゲーム開発者が考えていること
- 昨今のゲームはどんどん複雑化している
- コントローラにボタンが多いと操作が複雑に感じてしまう罠
- 複雑化の原因はオンラインRPGのせい?
- ゲーム開発者とゲーム初心者のプレイ感にズレが生まれている
- 最後に
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昨今のゲームはどんどん複雑化している
1980年代のファミコンことファミリーコンピューターが登場して以来、少しずつ「ボタン」や「キー」の数が増えてきました。
ファミコン
十字キー、Aボタン、Bボタン、SELECTボタン、STARTボタン
計5種類
これが
PlayStation4
十字キー、Lスティック、Rスティック、○ボタン、×ボタン、□ボタン、△ボタン、L1ボタン、L2ボタン、L3ボタン、R1ボタン、R2ボタン、R3ボタン、OPTIONボタン、SHAREボタン、PSホームボタン、タッチボタン
計17種類
ニンテンドースイッチ
十字キー、Lスティック、Rスティック、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、Lボタン、Rボタン、ZLボタン、ZRボタン、Lスティックボタン、Rスティックボタン、キャプチャーボタン、ホームボタン、ーボタン、+ボタン
計18種類
なんと、最新のゲーム機についているボタン数はファミコンと比べると3倍以上のボタン数になっています。客観的に見て、これらはとても多いと感じています。
コントローラにボタンが多いと操作が複雑に感じてしまう罠
コントローラにボタンが多くなると、それだけで複雑そうな印象を感じるようになります。
そのため、ゲーム開発ではなるべく複雑に感じないようにゲームの操作を考えて、ゲームデザインを意識しています。ただ、それでもゲームに慣れている人ならば良いのですが、今のコントローラを始めて手に持ったような初心者の方々は、おそらくプレイすることはできないと思います。
とはいえ、子供は吸収力が高いので、多少複雑でも適応をしてくれると思います。しかし、大人になって初めてゲームをやった層は今のゲームはかなり取っ付きにくくなっていると思います。
今、ニンテンドースイッチが売れている理由は、コントローラで遊ばない方向性であることが一番大きいと思います。例として「リングフィット アドベンチャー」などを見てみるとわかると思います。このゲームはボタンをポチポチするのではなく、体を大きく動かしてプレイするので、操作が明快なのです。
複雑化の原因はオンラインRPGのせい?
これは、個人的な考えなのですが、操作の複雑化が進んだ原因はオンラインRPGゲームに多いショートカット機能のせいだと思います。
ショートカット機能とは、パソコンでイメージしてもらうとわかりやすいと思うのですが、動作を最適化するために2、3段の操作をショートカットするような機能です。
例えば、ファイアという呪文を唱えるために下記のような動作をするとします。
メニュー開く → 魔法を選ぶ → ファイアを選ぶ → ファイアを放つ
見た通り、3段階の操作が必要です。
しかし、ショートカット機能でL1推すとショートカットメニューが設定できるとすると
L1+□ボタンに設定されているファイア → ファイアを放つ
と一瞬で魔法を放つことができます。
一見、動作が少なくなって良くなったように見えるのですが、L1推しながら□ボタンという動作を覚えなければいけません。
いわゆる、ボタンの組み合わせでまたボタンが作られているようなイメージです。
なので、ゲームをプレイするためには、元からついているボタンに加えて、ボタンの組み合わせも覚えないといけないのです。
かなり複雑になることが良くわかります。
さらに、ボタンを押すという動作は現実世界ではない動作なので、かならず覚えなければならない操作なのです。
例えば、ハンドルコントローラとかならばアクセルボタンがあれば加速するとわかりますし、ハンドルを回せば曲がることもわかります。銃のコントローラーなら引き金を引けば、弾を打つことができるとわかります。
このように、現実世界とリンクしている操作方法だと、とても分かりやすいのですがコントローラのボタンを押すという動作はないので、必ず新しく覚える必要が生まれるのです。これが、ゲームを始めた際に複雑と感じる理由です。
ゲーム開発者とゲーム初心者のプレイ感にズレが生まれている
最近、感じるのはゲーム開発者とゲーム初心者のゲームに対するプレイ感にズレが生まれていそうだなと考えることがあります。
今のゲーム開発者って、ほとんどが小さい頃からゲームに親しんできた人がほとんどです。なので、簡単な操作だと何も見ずにある程度プレイできるんですよね。しかし、ゲームのライトの人たちはそうではないのです。まずは、じっくり説明書などを観る人も多いと思います。何か機械を使うとき、マニュアルを観ますもんね。
けど、最近のゲームって全部チュートリアルにしているので説明書がないんですよね。
なので、一個一個確認しながらプレイがしにくいなと感じています。
個人的にはPS4史上一番おもしろいと感じたファイナルファンタジーVII リメイクですが、あまりゲームをプレイしない人にはかなり難しいと感じる作品だったようです。おそらく、30年前とかに比べるとヘビー層とライト層の違いが大きくなっているように感じます。
近くにゲームがそこまで好きじゃない友達や恋人・奥さんがいる人は割と冷静にその点が見えるので、そういう人物は重宝しています。
かくいう私も、彼女があまりゲームをしない人なので、その彼女を基準にゲームを考える際に難しくなり過ぎないように考えています。
最後に
今回はかなり自由にゲームについて、日頃考えていることを書かせていただきました。
最近はe-Sportsとしてプロのゲーマーも登場し、盛り上がりを見せるゲーム業界ですが、メジャーなジャンルになれるのか、マイナージャンルで終わるのかの瀬戸際だとも思うので、今一度気を引き締めて、ゲーム製作を進めていきたいと思います。
また、明日もよろしくお願いいたします。