まず、初めに断っておきたい。
私は別にそれぞれの人の働き方に対して意見を言う気はない。
しかし、見逃せないことがある。
それは、
海外の働き方に影響され、日本人らしい働き方を見失っている人がいる
ということだ。
今回の記事では、日本人らしい働き方とは何かを考えて書いていきたい。
◇今回の記事は下記のような人向け◇
- 日本人の働き方が古いと思っている
- AppleとかGoogleとか大好き!日本企業はダメダメだと思っている
海外の働き方に流されないでほしい理由【日本人をして誇りを持つ】
「日本の働き方は古い」
「年功序列が日本をダメにした」
「海外の企業みたいに成果だけで評価してほしい」
近頃、このような話をよく聞くようになりました。
私は、このような安直な考え方には反対です。
理由は、日本人とアメリカなどの外国では元々の民族としての性質が異なるからです。
海外の働き方にあこがれることは良いのですが、その前に日本の働き方が古いかどうかは、きちんとその背景を考えてほしいです。
30年前、日本は世界のトップ企業だらけであった
まず、下記の記事を読んでほしい。
昭和という「レガシー」を引きずった平成30年間の経済停滞を振り返る | 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ | ダイヤモンド・オンライン
そう、日本は平成元年、世界時価総額ランキングのトップ50の内に日本企業は実に32社もランクインしていたのだ。
いわゆるバブル期と呼ばれる時期の話だけど、この時の日本はまさに世界でトップレベルの国だったのである。しかし、今となっては50企業中1社しかランクインできていないという凋落が激しい始末である。
この凋落の事実が、今の日本人を海外の働き方に誘惑される一つの原因になっているといっても過言ではないと私は考えている。
日本人の心は「愛国心」から「愛社精神」へ形を変えた
次に、語るのは日本人の働き方の原点である。
海外の人から日本人のイメージを聞くと「真面目」という言葉が返ってくると思う。
しかし、今の若い企業はこの「真面目」に当てはまらないのかもしれない。
その理由は「愛社精神」がない企業だからだ。
「愛社精神」は、会社のために尽くす気持ちで仕事をすることである。しかし、今の若い企業や若い社会人は、昔の人ほど「愛社精神」は持ち合わせていない。
理由として一番に挙げられるのは「不景気」だろう。
残業は見込み残業という名のサービス残業が当たり前であったり、退職金が出ない企業も多い。
さらに、インターネットも常につなげられるような社会なので、すぐに会社への悪口などが目に付くようになる。こんな世の中では「愛社精神」を育むことは実に難しいことである。
実際、私も今、ブログをこのように書く傍ら社会人としてもとある上場企業で働いている。
しかし、残業代は出ない(細かく言うと固定残業代しかない)しボーナスも少ないので正直、会社のためにという「愛社精神」は沸いてくることはない。
実際、今はこうしてブログでお金を稼いでどうにか独立したいと考えている。
そう、この長い不景気のせいですっかり「愛社精神」というものは廃れているのだ。
そこで、「愛社精神」というものがなぜ作られたのか、プロセスを考えていきたい。
「愛社精神」は第二次世界大戦後にできたもの
「愛社精神」ができたのは戦後の話です。
第二次世界大戦で日本が負けたことが原因でした。
今まで、正義とされていた日本がやってきたことを全面的に悪いことであったと書き換えられたからなのです。
そう、この時代はお国のためにと考える「愛国心」が全面的に否定されたのでした。
そのため、その国への思いを一企業に捧げる「愛社精神」が生まれました。
「愛社精神」とは、戦後の日本で「愛国心」から変化したものです。
ただ、それは形を変えただけでそのころの「愛社精神」は「愛国心」の元、存在していたのである。
そして、私は「愛国心」が会社を大きく、強く成長させるのだと考えています。
「愛国心」は一企業を超えて国の発展を考える原動力であった
先日、ちょうど名古屋に出かける用事があり、そのついでに「トヨタ博物館」へ足を運ぶことができた。
その感動とは、トヨタの2代目社長「豊田喜一郎」氏の考え方である。
豊田喜一郎氏は、トヨタ自動車の創業者であり、その理由が日本で車産業を作ることであった。
喜一郎氏は、仕事でヨーロッパを訪れた際に街中を走り回る「車」に衝撃を受け、その後に大正時代に起きた関東大震災で壊れた家屋やがれきなどを撤去するために「車」が利用されているのを見て、これからは「車」の時代がくると考えたのです。
時代がくると考えたと同時に、日本がこのままでは車の産業から置いて行かれてしまうという危機感が強かったという印象を受けました。
そう、喜一郎氏は「トヨタのため」というよりも「日本のため」に自動車産業を始めたのです。そして、今では唯一世界の時価総額ランキングにも残るような「トヨタ」を作り上げたのです。
「時価総額ランキング」を総なめにした時代の日本は、「愛国心」から「愛社精神」へ変わっていったことを知っている日本人がまだ働いている時代でした。
しかし、その後は「愛社精神」しか知らない世代となっていきます。
この「愛社精神」というだけしか知らない人間ではその会社の信者にならない限り保ことはできないでしょう。なぜなら、会社はほかにもたくさんあるのですから。
しかし、「愛国心」というのは、その国に生まれ、育ったことで育まれます。
日本人は特にその「愛国心」が強かった民族です。なので、そこまでの成長ができたのでしょう。
戦争美化ではありませんが、日本が諸外国とかなり戦えたのはこの強い「愛国心」のためです。「愛国心」がなければ日本はまず、第2次世界大戦どころか江戸時代の終わりに明治維新なども起きず、外国に支配されていたでしょう。
そう、「愛国心」はともに同じ道を描き、国を発展させるための原動力でした。
なぜ、日本の「愛国心」は強いのか
日本だけではありませんが、日本は元々農耕民族です。
畑を耕し、作物を育てて食べる民族で、集団で生活していました。
作物は、しっかりと育てればだれが勝ったとか負けたとかはありません。
それよりも何かあったときに邪魔者にされないために積極的なコミュニケーションが必要でした。
そのため、年上を敬うという文化もそのコミュニティを守るために、年長者になればだれでも尊敬してもらえるような、平等システムを作ったのだと思われます。
これは、今の社会にも残っていて、それが「年功序列」の制度です。
決して、個人の成果だけでなく、歳を重ねるごとに給料が自然と上がるシステムになっているのだと思います。
それに比べて、欧州やアメリカなどは元々狩猟民族でした。
主要民族は、大きい強い獲物を狩った者が何よりも尊敬されるシステムです。
この時に形成された考え方が今の年功序列などは考慮されない、成果主義の働き方に繋がっているのだと思います。
「日本人らしい働き方」を模索する
最後に、いろいろとお話しましたが
- 国を発展させたい強い気持ちを持つ
- 民族の種類が違うので海外の働き方を100%受け入れないこと
が日本人らしく働いて、成長させることができる大事なことです。
それぞれの国で働き方は異なります。
しかし、それを100%同じことをしても成果を出すことはできません。
なので、あくまで参考程度として私たち日本人は日本人らしい働き方を模索するべきだと私は思います。
急にサッカーの話になりますが、元日本代表監督のオシム監督が目指した「日本人らしいサッカー」というのは、この考え方に近いと思います。
オシム監督の考え方は日本人に響くものがあります、ぜひ「オシムの言葉 増補改訂版 (文春文庫)」をご覧になってほしいです。
サッカーだけでなく、普通のビジネスマンの働き方も「日本人らしい働き方」を目指していきましょう!
そうすることで、また日本が世界のトップに立つ日も近くなると思います。
今回もここまで読んでいただき、ありがとうございました。